工場勤務をしていると「改善」という言葉をよく聞きませんか?
職場で「改善しましょう」と
よく言われるけれど、
どうすればいいの?
この記事では改善する上でのポイントをお伝えします。
僕は大手製造業に勤めて、様々な職場を渡り歩いてきました。
仕入れ先の採算改善などで中小企業の工場に入り込んで仕事をしたこともあります。
そんな僕が工場勤務のリアルをお伝えします。
改善で報奨金の出る企業もあるくらい「改善」は重要な位置付けになっています。
工場勤務での改善のポイント 5つ

このポイント5つは工場勤務以外でも役立ちます。
日常のちょっとした「良くしたい」に効果的です。
1. 初作業はチャンスが眠っている
初めてやる作業は改善することが見つけやすいです。
慣れや感覚が全くないので、教えられた内容を頼りにやるしかありません。
【例:パンを袋につめる作業】
- 袋を左手でとる
- 両手で袋を広げる
- 左手で袋を持つ
- 右手でパンをとる
- パンを袋に入れる
■注意ポイント
- 袋をシワクチャにしないこと
- パンを潰さないこと
あなたが初めて作業した場合、
パンをやさしく持ち上げて、袋をそっと広げて、丁寧に作業することに集中してしまいませんか?
- 袋が小さいから入れにくい
- 袋が広げにくい
- 袋が重なっていて取りにくい
- パンの形がバラバラで持ちにくい
- パンが大きくて片手で持てない
初めてやることは色々と感じることがあるはずです。
この素直に感じたことが改善の着眼点になります。
人間をロボットに置き換えるときに苦労するポイントでもあるのですが、人間は自分でスキルを使って補正してしまいます。
袋が取りにくかったら、両手を使うと簡単にとれる。
パンは指で持つと潰れるから、手のひら全体を使うように。
このように、作業に慣れてくるとコツを掴んでしまいます。
慣れてしまうと改善しようとも思えないし、何に苦労していたかも忘れてしまいます。
2. 個人差が発生することは要チェック

- Aさん=不良が0だが、
Bさん=不良が出る。 - Cさん=20秒で終わるが、
Dさん=25秒も掛かっている。 - Eさん=光沢があって綺麗、
Fさん=光沢がない。
同じ物を同じ作業で作っているはずなのに、なぜか人によって差が出てしまうことがあります。
(そもそもの工程設計が悪いだろっていうのは置いといて)
個人差があるのは改善のチャンスです。
工場での作業は誰でも出来ることが大前提です。
100m走を10秒で走るようなことは、絶対に求められません。
周りの人より良く出来る人は、自分で工夫していることが多いです。
よく観察をして、作業分析すると改善すべきことが見つかります。
3. 愚痴が聞こえたら聞き流さない
- 「手が疲れる〜」
- 「あの人ばっかり楽そうでズルい」
- 「仕事で毎日15,000歩も歩くよ〜」
「うるせーな、黙って働けよ」なんて思わないで下さい。
愚痴には改善のタネが転がっています。
なんでそんな愚痴が出てくる考えてみましょう。
【手が疲れる】
- 作業時の手の使い方は問題ないか
- 作業者全員が疲れていないか
- どうやって疲れを軽減できるか
【あの人ばっかり楽そうでズルい】
- 本当に作業負荷に差があるか
- 作業負荷に差があった場合の平準化はどうするか
【仕事で毎日15,000歩も歩くよ〜】
- 仕事中の動線に無駄は多くないか
- 歩行距離を縮められないか
ざっとこんな感じで考えてみてはいかがでしょうか。
どうしようもない愚痴は聞き流せば良いですが、愚痴が聞こえた時にはちょっと立ち止まってみると改善案件が生まれます。
4. 新発想は組み合わせで生み出す

改善を求められる職場では「なんか奇抜なアイデア出してよ」などムチャな注文が来ることもあります。
僕は15年以上の工場勤務を続けていますが、そんな都合よく、世界初の発想が出ることはありません。
ほとんどのケースは現在使われている物に対して、新しい技術を組み合わせるか、既に存在する物を組み合わせることになります。
この組み合わせが新しく、効果があると、素晴らしい改善として評価されます。
月並みですが、ロボット+掃除機=ロボット掃除機みたいな感じですね。
5. 満点を狙わず、1歩前進でOK
改善に終わりはありません。
あなたの職場で掲げられている目標値が年々高くなるように、
次から次へ改善をしなくてはいけません。
なので、100点を取るという考え方では疲れてしまいます。
不良率が0%になっても、
稼働率100%に近付けることや、
1秒速く作れるようになったら、
更に0.5秒でも速く…
本当に終わりはありません。
工場勤務の改善はやりがいの1つです。
興味を持った方は、工場勤務してみてはどうでしょうか。
工場勤務といったらこれですよね。
読んでおいて損はありません。