山がほしいな。
どうやって買えばいいの……?
だれもが山をほしいと思ったことがあるはずです。
「でも、どうやって買えばいいの?」
こんな疑問にお答えします。
この記事の内容
- 山の探し方
- 山を買うときの注意事項
この記事の信頼性
この記事を書いているぼくは、副業として自伐型林業をしています。
林業は日本にとって変えのきかない産業の1つです。
そのすばらしさを広げるためにブログなどで発信中。
会社員をやりながら、林業をはじめてみました。
自分のペースで木を伐って楽しんでいますよ!
前置きが長くなりましたが、さっそく山の買い方について解説します。
大きな買い物なので、じっくり考えましょう!
まずは山探し!おすすめ方法 3選
「さあ、やまを買おう!」と気軽に購入してしまう人は多くはないでしょう。
まずはいろいろな物件を見て、じっくり考えたいですよね。
山を買うために、3つの方法があります。
それぞれのいいところがありますので、山探しの参考にしてください。
1. 地元の不動産屋に問い合わせる
物件として取り扱っていないかもしれませんが、地主さんや山主さんとつながりがあるかもしれません。
山の保有者には、手放したいという人も少なくありません。
不動産屋を介して取引ができるので、売買時のルールなどを細かく勉強しなくても買うことができます。
仲介手数料はかかりますが、地元の山を探すのには安心の方法です。
- 手間がすくない
- 地元の物件が探せる
- 安心して取引ができる
- 営業トークで売りつけられるかも
- 価格が割高かも
2. 最寄りの森林組合に相談
森林組合というものがあります。
全国に600以上が組織されていて、日本各地の森林を守っています。
山林がある地域には森林組合がありますので、最寄りの森林組合に相談してみましょう。
組合員の保有している山を紹介してもらえることもあります。
その地域の山について、詳しい情報を持っているので心強いですよ。
- 地元の物件が探せる
- 森のプロの意見が聞ける
- 不動産業者ではないので取引は慎重に
3. インターネットの販売サイトで探す
インターネットではさまざまな山が売られています。
地域や価格はバラバラですが、お宝物件があるかもしれません。
人に会わずに物件を見れるので、気軽に探せるのがいいところ。
みんなの0円物件というサイトもあり、需要の低いエリアならタダで手に入る山林はおおいです。
タダより高いものはない……なんて言われることもあるので、じっくり調べましょう。
- 全国の物件をみれる
- 気軽に調査できる
- やすい物件がおおい
- 安い、売れない理由を調べる必要あり
山を購入するときの手順 7ステップ
山を購入するときの一般的な手順をご紹介いたします。
- 物件を探す
- 購入したい物件が見つかれば問い合わせる
- 現地見学をし、地形、木樹、境界などを確認する
- 購入を決めたら手付金を支払い、買付証明書を提出する
- 引き渡し日を決めて、売買契約を交わす
- 残金の支払いを済ませ、引き渡しを受ける
- 不動産取得税を支払い、「森林の土地の所有者届出書」を提出する
7ステップの「③現地確認」がとくに重要です。
じっくり確認しましょう。
個人、法人を問わず、売買や相続等により森林の土地を新たに取得した方は、面積に関わらず届出をしなければなりません。
ただし、国土利用計画法に基づく土地売買契約の届出を提出している方は対象外です。土地の所有者となった日から90日以内に、取得した土地のある市町村の長に届出をしてください。
引用:森林の土地の所有者届出制度」
山を買う前に注意するポイント 7つ
住宅用の土地と比べると、山はとても安く手にはいります。
そのため、じっくり考えずに買ってしまい、後悔するひともいます。
せっかく買うんですから、「いい買い物だった!」と思いたいですよね。
そこで、山を買う前に注意するポイントをまとめました。
1. 目的にあっているかチェック
山を買う目的はさまざまありますよね。
- 林業
- 狩猟
- キャンプ
- 別荘
- アウトドア
あなたの目的に合わない山では、買う意味がないですよね。
林業をやるために伐採をしてもいいエリアなのか…
別荘を建てても問題のないエリアなのか…
こういったことを事前に調べないとトラブルになってしまいます。
「市街区調整区域」
- 基礎工事を伴う建物を建てられません
「保安林」
- 森林の伐採は禁止
2. 買うのは簡単、売るのは大変
山の購入後にいらなくなった場合、すぐには売れません。
需要が低く、山の取引が少ないためです。
人口減少によって、宅地ですら売れない地域があるくらいです。
山の需要がこれから急に上がるとは考えにくいため、山を買ったら売れないくらいの感覚がちょうど良いです。
3. 境界がちゃんと決まっているのか
境界があいまいな山は日本全国で数えきれないほど。
ここまでがAさんの山、ここからはBさんの山、こっちはCさんの……と境界がはっきり決まっている山ばかりではありません。
現地確認のときに、境界についてはかならず確認しましょう。
4. 税金、維持費がかかる
山を持っているだけでお金がかかります。
ずっと固定資産税を払い続ける義務が発生します。
宅地などと比べるととても安いですが、毎年きっちり徴収されるので無視はできません。
地域や面積によりますが、数千円〜数万円の固定資産税になります。
5,000円/年だとしても、10年も払い続ければ50,000円に…。
固定資産税だけでなく、山の維持にも費用がかかります。
- 草刈り:オイル代
- 移動費:ガソリン代
- 道具:償却費用
山によりますが、草刈りをするのには草刈機が必要です。
草刈機を動かすのにはオイルや充電が必要です。
山に行くまでに車をつかえばガソリン代も発生します。
「固定資産税」と「維持費」は事前に計算しておきましょう。
5. 自然災害が発生してもトラブルにならないか
あなたの所有する山で土砂災害が発生!!そんなとき、どうなるか知っていますか?
なんと…復旧対応や賠償対応が必要になります。
2021年7月の熱海土砂災害では、前の土地所有者に4億6,000万円納付命令が出ています。
2021年7月の熱海土石流災害で、崩落の起点に残った不安定な土砂を撤去した行政代執行の費用について、静岡県が前の土地所有者に納付を命じていたことが分かりました。その額は、4億6000万円に上ります。
引用:Yahoo!ニュース
こういった自然災害時のリスクをできるだけ減らすためにも、土砂災害警戒区域に指定されていないか確認しましょう。
6. もしものときに迷惑のかかる人はいないか?
もしも、あなたに急な不幸が起きて、山を相続することになったら……
困る人はいませんか…?
あまり考えたくないですが、相続人には負担となります。
広大な山でないかぎり、相続税はそこまで心配いりませんが、手続きの負担はかかります。
事前に迷惑のかかる相手がいないか確認しましょう。
7. 買わずに目的は達成できないか?
ここまでの注意点から、じっくり考えると山を買うのをためらってしまいますよね。
欲しいけど…買ってもいいのだろうか…?ぐるぐる考えてしまいます。
そこで、買わずに目的が達成できないか検討してみましょう。
- 知り合いに山を借りれないか
- 地域のボランティアでやれないか
- 地域おこし協力隊になってみては?
意外と買わずにやりたいことがやれるかもしれません。
ぼくは友人の山を借りています。
完全に放置してあったので、手入れされて喜ばれています。